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『こどものための「易経」』 逆境、恋の悩みも解決策示す

『こどものための「易経」』
『こどものための「易経」』

 私が「潜龍(せんりゅう)」の話を知ったのは、30代になってからのことでした。『易経(えききょう)』では、人や組織の成長過程を龍の変遷に擬(なぞら)えて説明し、まだ時を得ない段階(潜龍)では、将来に向け、ひたすらに力を蓄えよと説くのです。この教えを学生時代や20代で知っていれば、人生や仕事に対する向き合い方ももっと違ったものになっていたかもしれない-。その思いが原点となって本書が生まれました。

 約5千年前、中国で生まれた世界最古の書物『易経』。時代や環境が変化していく中で起こるさまざまな出来事の解決策になる知恵が記され、当代のリーダーたちに読み継がれてきました。そんな書物を子供たちにも役立ててほしいと、『易経』研究の第一人者、竹村亞希子さんと、都築佳つ良さんが難解な原文のこども訳に挑みました。

 「勉強が好きになるには?」「友だちができない…」「夢をかなえるには?」。人間関係のトラブルから逆境、恋の悩みまで『易経』はその解決策をズバッと示します。

 全ページフルカラーで項目ごとにかわいらしいイラストも併載。「子供に伝わりやすい喩(たと)えでとても読みやすい本」(30代、主婦)、「普段子供に問いかけられて返答に困るような内容の疑問も、身近に感じやすいようにまとめてあるので、子育てにも役立ちそう」(40代、同)など、大人からも多くの反響が寄せられています。古典を読むのは初めてという方にも、ぜひ入門書として手に取っていただけるとうれしいです。(竹村亞希子、都築佳(か)つ良(ら)著/致知出版社・1500円+税)

 致知出版社書籍編集部 小森俊司

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