「川越のサツマイモ文化は世界一」4団体が宣言 発見から120年の紅赤PR 

 「川越いも」の代名詞とされたサツマイモ、紅赤(べにあか)が明治31(1898)年に、さいたま市浦和区で発見されて今年で120年。川越サツマイモ商品振興会などは30日、12月1日を「紅赤いもの日」と定め、川越地方に根付く「サツマイモ商品文化」を世界一と宣言した。年末にかけて川越、さいたま両市と三芳町で記念イベントを展開し、紅赤をPRする。

 世界一を宣言したのは同振興会と川越いも友の会、川越いも研究会、三芳町川越いも振興会の4団体で、いずれもサツマイモの生産者や加工・販売業者ら。

 宣言は「川越地方のサツマイモ関連商品の種類の多さと歴史文化の幅広さは世界一」と指摘。サツマイモ関連の商品が約260種あることや江戸時代から続く川越いもの歴史的ブランド、120年栽培が継続されている伝統品種の紅赤など、川越地方のサツマイモは観光文化資源として世界に例がないとしている。

 紅赤は明治31年に農家の主婦が偶然発見した後、ほくほくとした舌触りと上品な甘みで川越いもの主力となり、「金時(きんとき)」とも呼ばれて人気を博した。だが、昭和50年代前半頃から収穫量が多く、ねっとりとした甘みが特徴の「紅あずま」に主役の座を奪われた。

 現在の栽培面積は三芳町が約4ヘクタール、川越、さいたま両市ともに約0・5ヘクタールずつで、今年の生産量見込みは計約100トン。栽培継続の危機を迎えているという。

 川越サツマイモ商品振興会事務局の山田英次さんは「12月1日の紅赤いもの日に1人1本ずつ食べてもらえれば、生産量が減らずに紅赤を守ることができる」と訴える。今後は企画展やシンポジウムなどの記念事業を行うほか、9月中旬から「紅赤おすすめガイド」など3種類のチラシを各1万部作成、配布する予定。

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