大阪府警富田林署の面会室から男が逃走した事件で、指名手配されている樋田淳也容疑者(30)が書いたとみられるカレンダー形式のメモ上で、逃走当日の12日に印がつけられていたことが29日、捜査関係者への取材で分かった。メモには当直担当者の名前も記されており、監視の緩い担当者の日を狙って逃走を決行した疑いがある。
捜査関係者によると、府警がこのメモを見つけたのは樋田容疑者の逃走から少なくとも1週間後だった。メモは樋田容疑者の居室のトイレ近くで折りたたまれた状態で見つかった。当初の捜査では発見できず、その後の点検で存在を把握したという。
メモには8月のカレンダーが手書きされ、3日ごとに留置業務を担当する署員の当直シフトが記入されていた。特定の署員の名前には印がつけられ、12日の担当者にも印がついていた。
これまでの調べで、樋田容疑者が面会に来た弁護士に先に退出するよう促し、1人きりになる時間をつくっていたことが明らかになっている。こうした工作に加え、当直シフトのメモは、監視の甘くなるタイミングを見計らうためのものだったともいえ、樋田容疑者が12日を決行日と定めて、計画的に逃走を図った疑いが強まっている。
樋田容疑者は12日午後7時半ごろ、富田林署2階の面会室で弁護士と接見。同8時ごろに弁護士が退出した後、面会室のアクリル板を蹴破り、同署の裏口から逃走した。