解答乱麻

「反日日本人」がなぜこんなに多いのか カギは米国産「WGIP」にあり 麗澤大大学院特任教授・高橋史朗

 1945年7月に作成された対日心理作戦報告によれば、占領軍に友好的な「自由主義者」として、野坂参三、鹿地亘らの共産主義者を挙げて活用した。

 マッカーサーの政治顧問付補佐官であったエマーソンの米上院での証言によれば、野坂らの提唱で設立された日本人民解放連盟の中国での日本兵捕虜洗脳教育を対日心理戦に利用できると確信し、WGIPのモデルとなった。

 エマーソンは「日本国内の戦争反対分子を励まし、内部崩壊を早める」よう提言し実行されたが、同証言で「共産主義の目的についての理解がなかった」と弁明している。

 日米合作の太平洋戦争史観とコミンテルン史観との奇妙な癒着が戦後の「反日」歴史教育の土壌となり、戦後の「反日日本人」のルーツ、温床となった。

 その成果が80~90年代の「歴史認識問題」を生み出し、今日の「世界の記憶」への登録申請につながったといえる。

 戦後73年を経た今日、「軍国主義」とは明確に区別すべきわが国本来の国民精神を取り戻し、「反日日本人」とも真摯(しんし)に対話しつつ、WGIP後遺症からの脱却を目指す必要があろう。

                   ◇

【プロフィル】高橋史朗

 たかはし・しろう 元埼玉県教育委員長。麗澤大大学院学校教育研究科道徳教育専攻特任教授、モラロジー研究所教授。親学推進協会会長。男女共同参画会議議員。

会員限定記事会員サービス詳細