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大阪府警富田林署の面会室から男が逃走した事件で、指名手配されている樋(ひ)田(だ)淳也容疑者(30)が勾留されていた留置場内から、複数の当直担当者の名前が書かれたメモが見つかったことが29日、捜査関係者への取材で分かった。樋田容疑者が監視の緩い署員を見極めるために作成した可能性が高く、逃走が計画的だった疑いがより強まった。
捜査関係者によると、メモは樋田容疑者がいた居室内で折りたたまれた状態で見つかった。留置場担当者の当直シフトがカレンダー形式で手書きされ、日付や一部の担当者の名前には印がつけられていた。この印は、樋田容疑者が監視が甘いとみていた担当者を示している可能性がある。
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樋田容疑者は12日午後7時半ごろ、富田林署2階の面会室で弁護士と接見。同8時ごろに弁護士が退出した後、面会室のアクリル板を蹴(け)破(やぶ)り、署の裏口から逃走した。面会時間が長いことを不審に思った署員が午後9時43分、面会室の中に誰もいないのに気付いた。
樋田容疑者が弁護士に対して「接見終了は自分から署員に伝える」という趣旨の話をしていたことがすでに判明。弁護士に先に退出を促し、面会室で1人きりになる時間を意図的につくった疑いが出ていた。
今回、居室内で見つかったメモの存在により、逃走の計画性がより強まった形で、富田林署捜査本部は逃走に至るまでの詳しい経緯を調べている。