神戸市中央区の神戸国際会館で26日、視覚障害者とスポーツ用品メーカーや製薬会社などの企業7社が共同でバリアフリー商品の開発に取り組んだ。点字ブロック内の磁石に反応して振動する運動靴や、電車の乗車位置などを教えてくれる音声アプリなど、視覚障害者の意見を取り入れたユニークなアイデアが数多く生み出された。
障害者の就労支援に取り組むNPO法人「アイ・コラボレーション神戸」が企画。以前からバリアフリー商品の開発を行っていた企業に呼びかけることで実現した。
この日は、スポーツ用品大手「アシックス」や製薬会社「塩野義製薬」、ITベンチャーなど多様な業界から企業が参加。各企業と視覚障害者がチームとなって話し合いを進めた。視覚障害者は「靴底が厚いと点字ブロックの凹凸が分かりづらい」などと生活する上での問題点を指摘。企業はその意見をもとに、商品作りに取り組んだ。
意見交換後は商品の発表会が行われ、磁石に反応して振動する運動靴や電車の乗車位置を知らせる音声アプリのほか、白杖(はくじょう)を持った人を認識できるカメラ、手触りだけで種類が判断できる薬などが紹介された。一部の商品については実際に販売される可能性もあるという。
大阪市の視覚障害者、石井美弥子さん(50)は「障害者の意見を取り入れた便利な商品が増え、誰もが暮らしやすい社会になれば」と話した。