決済革命

(4)大手銀・クレカに危機感 企業視点の主導権・縄張り争い

 7500万人(6月時点)のLINE利用者の間で無料送金システムが一気に広がれば、銀行の「既得権益」だった送金業務は脅かされる。

 送金業務は手数料が国内向けで1回数百円、海外向けは数千円に加え、現地通貨に両替するための為替手数料も取れ、うまみが大きい。これまで100万円を超える送金は銀行のみに認められてきたが、「異業種に牙城を崩されると収益への打撃は大きい。主導権は渡したくない」(大手銀関係者)と危機感を強める。

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 クレカ業界も戦々恐々だ。日本は1人当たりのカード保有枚数が7・7枚とシンガポールに次ぐ世界2位だが、現金を使わないキャッシュレス決済の主役の座が脅かされ始めた。

 カード会社が加盟店から受け取る決済手数料は小規模店で4~7%程度といわれる。これに対し、QRコード決済の手数料は「無料」や「1%前後」のものもあり、その差は大きい。

 「築き上げた加盟店網の強みがあっても危機感は強い」(カード大手幹部)のが現状で、QRコード決済や生体認証など新たな決済手段の開発も進める。本業のクレカと共食いする恐れはあるが、クレカの決済手数料を一気に引き下げるのは難しく、顧客を失いかねないからだ。