学長に作家の平田オリザ氏…兵庫・豊岡に4年制の県立専門職大学が開学へ

 兵庫県は23日、実習を通じて専門的な人材育成を目指す4年制の県立専門職大学「国際観光芸術専門職大学(仮称)」を豊岡市に設立すると発表した。学長に同市文化政策担当参与で劇作家の平田オリザ氏(55)を招き、演劇や観光分野の専門家を育成する。来年秋に文部科学省に認可申請し、平成33年に開学する予定。

 文化・観光創造学部の1学部のみで定員は80人。学生は文化ホールや旅館など宿泊施設の運営といった実習を通じて芸術文化と観光を学ぶ。特色は1年次の「演劇コミュニケーション演習」の全員履修。実際に舞台上で演劇を行うことで、実社会に必要なコミュニケーション力が身につくという。2年次以降は「文化創造」か「観光地経営」のコースを選択する。

 専門職大学の設置は28年度に但馬地方の3市2町から要望を受け、県が検討を進めていた。用地は豊岡市山王町の商業施設跡地の約1ヘクタールを市が取得し、県が無償提供を受ける。建設費などに約80億円がかかる見込みで、県は地元自治体にも協力を求める。

 井戸敏三知事は「但馬地方は4年制大学がないことが地域の課題だった。観光分野の専門家も少なく、人材育成のニーズがあった」と意義を説明。大学の都心回帰が進む中、学生の確保が課題となるが「平田氏を慕って集まる学生は多いのではないか」と述べた。

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