機密性高い海外開発の無料通信アプリ「テレグラム」「シグナル」犯罪使用相次ぐ 消去後の復元困難 警察当局、拡大に警戒

「受け子」に指示

 捜査関係者によると、警視庁が過去に摘発した特殊詐欺グループでは、被害者から現金を受け取る「受け子」に対して指示役が両アプリを通じてメッセージを送った事例が複数あった。

 特殊詐欺グループは受け子のほか、だまし電話をかける「かけ子」、指示役など役割分担がされており、事件捜査では捜査対象者たちの関係を立証するメッセージのやり取りが重要な物証となる。

 日本で広く使われている「LINE(ライン)」はやり取りの「トーク」の履歴が残る上、履歴を消去しても技術的に復元が可能とされるのに比べ、テレグラムやシグナルでのやりとりは一度消去してしまえば復元は困難という。

 ある警察幹部は「秘匿性の高い通信アプリが犯罪集団に広く浸透すれば、物証を得るのが極めて困難になる」と危機感を強めている。

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