幸福の国として知られるブータンのとある家族を見つめたドキュメンタリー。ブータン人のアルム・バッタライ監督が、ハンガリー出身のドロッチャ・ズルボー監督と共同で手がけた。仏教寺院の家を継ぐため僧院学校に寄宿するよう父親に迫られているゲンボは、性同一性に悩む仲のよい妹のタシのことが気がかりだった。
のどかな山里の景色の中、ゲンボたち家族の葛藤に、カメラは淡々と迫っていく。葛藤自体は今日的であり、全世界共通ともいえるものだが、淡々とした描写が何ともブータンらしい素朴な印象を残す。18日、東京・ポレポレ東中野で公開。1時間14分。(藤)
★★★(★5傑作 ★4見応え十分 ★3楽しめる ★2惜しい ★1がっかり)