県は、安全管理に関わる大部分を同社に委託していたとして、提出する計画の二重のチェックを行わず、事故から4日後の今月14日に国交省から食い違いを指摘されるまで把握していなかった。隊員が本来と異なる計画を提出した理由は不明。同社は、計画の変更について「特にメリットはない」としている。
ヘリが墜落したとみられる時間帯に「ヘリポートに到着した」と事実とは異なる通知を行ったのもこの隊員だった。県と同社によると、隊員は20年以上のベテランで、操縦士の資格を持つ。衛星利用測位システム(GPS)を使用し、ヘリの位置を確認できる「動態管理システム」が作動していないことに気付いたのも、この隊員だった。
同社は複数回にわたり、飛行ルートと異なる計画を提出していたことを認めている。過去に起きた同様の事例を認識できておらず、「派遣されている社員と本社との間でコミュニケーションが不足していた」との見解を示している。
一方、総務省消防庁は16日付で全国の自治体に対し、防災ヘリの安全管理の徹底を求める通知を出した。飛行計画に沿った運航が行われているかなど、防災ヘリの運用状況を調べることも検討している。