激動・朝鮮半島

北朝鮮が9月に5年ぶりギネス規模のマスゲーム 外貨獲得へ躍起、10万円チケットも

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は16日までにウェブサイトの記事で、建国70周年の9月9日から同月末まで平壌のメーデースタジアムで「大集団体操(マスゲーム)」と芸術公演「輝く祖国」が行われると告知した。約10万人を動員し、一糸乱れぬ動きで人文字などをつくるマスゲームと公演「アリラン」がほぼ毎年行われてきたが、2013年を最後に途絶えていた。

 記事は、今回の公演は07年にギネス世界記録に登録されたアリランと同規模だとし、「これまでに比べ、完全に新しく独特だ」と宣伝。北朝鮮の観光サイトによると、特等席は800ユーロ(約10万円)で、3等席も100ユーロかかる。外国人観光客を呼び込み、外貨獲得につなげる狙いがある。

 マスゲームには、子供も過酷な練習に長期間、動員されることから「児童虐待だ」との批判も出ている。9月9日に合わせ、軍事パレードを準備する動きも伝えられている。

 かつてはアリラン目当てに訪朝する日本人も見られたが、政府が北朝鮮への渡航自粛を要請している上、北朝鮮での日本人男性の拘束も発覚し、日本からの渡航は限られるとみられる。

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