高見国生の認知症だより(25)

軽度認知障害と言われたら…過度な心配は無用

京都府立医科大神経内科の講座で認知症の男性(92)が取り組んだ「かぼちゃ」。紙やすりの質感をいかし、色を重ねて鮮やかに表現した(「京都<臨床美術>をすすめるネットワーク」提供)
京都府立医科大神経内科の講座で認知症の男性(92)が取り組んだ「かぼちゃ」。紙やすりの質感をいかし、色を重ねて鮮やかに表現した(「京都<臨床美術>をすすめるネットワーク」提供)

 医療機関で、軽度認知障害(MCI)や、認知症の疑いがあるといわれたと、心配して相談をしてくる人があります。「様子を見ましょう」と言われ、ひどく落ち込んで、「目の前が真っ暗だ」という人もいます。認知症に限らず、「様子を見ましょう」は、「悪くなるのを待ちましょう」と言われているようで嫌なものです。

 MCIは5年後の認知症発症率が5割といわれていて、まだどうなるか分からない状態ですし、認知症の「疑い」はまだ認知症ではありません。どちらもその段階ではとくにこれといった対策もなく、「様子を…」になるのでしょうが、しかし本人にとっては、やたら不安だけが大きくなるのです。今後の生活指導などを合わせてやってもらいたいものですね。

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 私は、心配だと相談してきた人には次のように言います。

 1 認知症と決まったわけではないので、過度な心配は無用ですよ。

 2 もし将来、認知症になったとしても、認知症で人生は終わらない(認知症では死なない)。認知症をもって生きる人生が始まるのです。

 3 その人生は、苦痛を伴うものではありません。ただ、生活に支障が出たり、今の状況がわかりにくくなったりはする。しかし、周りの人があなたのことを理解し支えてくれれば普通に生きることができますよ。

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