安倍政権考

日本沖で大量破壊兵器拡散防止の多国間訓練 北「瀬取り」抑止弱める高い法的ハードル

 瀬取りがやまない背景には、容疑船が船体の国籍表示を覆い隠すなど、手口が巧妙化していることも一因としてあるが、最大の問題は、国際ルール上、自衛隊や米軍などが公海上で他国籍の船舶に乗船し検査を実施できないことにある。

 そのため、積み荷がどこを出港し、どの国の船舶が瀬取りに関与しているかを特定することが極めて困難になっている。立ち入り検査を行い、瀬取りの事実をつかむことができれば、安保理決議に違反した船舶を船籍国が取り締まらなくてはならない。

 昨年9月に北朝鮮が6回目の核実験を行った直後の安保理で、米国は公海上での強制力を伴う船舶検査(臨検)の許可を盛り込んだ決議案を提示したが、中国やロシアの反発が大きく、臨検は見送られた。

 北朝鮮や瀬取りに関与している国からすれば、写真を公表されることはあっても、船に乗り込まれ、検査をされる恐れはない。瀬取りが疑われる事例に関して、中国国旗とみられる旗を掲げている船舶がたびたび確認されているが、中国政府は「安保理決議を厳格に履行している」との見解を示している。