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安倍晋三首相(自民党総裁)は、憲法改正の自民党案を秋に予定される臨時国会に提出する意向を表明するとともに、改憲案に自衛隊を明記することを改めて訴え、9月の党総裁選で争点にする考えを重ねて示した。10日に出馬表明した石破茂元幹事長が9条改憲を争点から外したことを逆手に取り、総裁選で堂々と論戦に持ち込む狙いだ。ただ、臨時国会への改憲案提出には野党が強く抵抗するとみられる。来年には参院選があるなど重要な政治日程も数多く、先は容易ではない。
「ある自衛官は息子さんから『お父さん、憲法違反なの?』と尋ねられたそうです。そのとき息子さんは、目に涙を浮かべていたと言います」
安倍首相は12日、長州「正論」懇話会の設立5周年記念講演会で講演し、多くの教科書が自衛隊違憲論を掲載していることをめぐるエピソードを紹介した上で、自衛隊を違憲とする議論に終止符を打つ必要性を説いた。
憲法9条改正では、戦力不保持を定めた2項を維持して自衛隊を明記する首相案に対し、安全保障政策を得意とする石破氏は2項削除が持論だ。しかし、石破氏は10日の出馬表明の記者会見で、9条改正よりも参院選の合区解消や緊急事態条項創設が優先だと主張した。