夫婦2人の時間が苦痛に…急増する「夫源病」 典型的昭和のオヤジはご用心

 主婦が家計の足しにしようとアルバイトに出ても夫の態度は変わらない。一人の時間が取れれば気晴らしもできるが、夫は地域の自治会に参加しようとせず、自分が外出するときも妻の同行を求める。一人でストレスを発散する場もなく、精神的に追い込まれた主婦は、実家や実妹の元に逃げ込んだこともあったが、弟妹にもそれぞれの生活がある。

 「手に職があって経済的に自立できれば離婚していたかも…」。主婦は表情を曇らせる。

何気ない言動にもご用心

 妻が夫源病に陥るのは、こんな典型例だけではない。

 食事や身の回りのことは自分でこなす夫でも、これまでになかった3食をともにするなど、丸一日一緒にいることに、息苦しさを覚える主婦らは少なくない。「まるで監視されているようで嫌だ」「外出に後ろめたさを感じる」。こう訴える主婦もいる。

 病気の名付け親でもある大阪大人間科学研究科未来共創センター招聘(しょうへい)教授の石蔵文信医師(62)によれば、夫が半ば無意識に行っている次のような言動も、妻に大きな精神的ストレスを与えているという。

 (1)妻がその日あったことや相談事など話しても、夫は上の空で「うん」「ああ」などと生返事ばかりする

 (2)夫がリビングのテレビを独占し、CMのたびにチャンネルをパチパチ替える

 (3)定年退職後の夫が妻の買い物などに四六時中つきまとうようになる…

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