韓国産の日本酒とキャビア、その実力は? 進化するソウルのレストラン

韓国産の日本酒とキャビア、その実力は? 進化するソウルのレストラン
韓国産の日本酒とキャビア、その実力は? 進化するソウルのレストラン
その他の写真を見る (1/7枚)

 【酒呑み鉄子の世界鉄道旅 KTXに乗る韓国旅(1)】 所用で韓国にやって来た。目的地はソウルではなく務安(ムアン)……って、いったいどこかという話だが、それはまた次回お話するとして。KTX(韓国高速鉄道)で務安に向かう前に、まずはせっかくソウルにやって来たので、素通りせず名物料理で腹ごしらえしたい。(写真・文/トラベルジャーナリスト 江藤詩文)

世界も一目置くファインダイニング

 プルコギ、サムギョプサル、キムチチゲ、スンドゥブ、冷麺……。ソウルで食べたい定番料理はほんと枚挙にいとまがない。もちろんビールやマッコリも。韓国のビールは薄いという人もいるが、私はけっこう好き。特に「Kloud(クラウド)」。

 しかしここはぐっとこらえて、新しい味覚を試してみることにした。というのもここ最近、ソウルのレストランは急激に進化している。とりわけ「ファインダイニング」といわれる高級レストランは、目を見張るほどの躍進ぶり。アジアを代表するレストラン、世界のベストレストランといったランキングの上位に食い込むほど、世界的に高く評価されている。

 そんな一軒で出会ったのが、驚くなかれ、日本酒だ。日本からの輸入モノと思いきや、メイド・イン・コリアだという。もともとマッコリの産地である慶州で醸された純米酒。日本酒愛飲家の私に韓国産を出すの? と思いきや、これがなかなかイケる。さらっとしてクセがなく、ふわりと米の甘さが広がり、飲み心地がいい。今のところ酒造好適米は生産されておらず、食用米から厳選した上質なものを使っているそうだが、酒米の研究も進んでいるとか。

 これに合わせて出された料理がすご過ぎる。野菜の出汁でとった上品なスープをたっぷりと煮含ませた「薄切りアワビとみずみずしい白菜の重ね煮」。優しさが身体中に染み渡る。出汁と日本酒って合うんですよね。

会員限定記事会員サービス詳細