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プロ野球、意外と高いリクエスト成功率「3割5分」…裏を返せば〝誤審率〟、ゆらぐ審判の威厳

セ・リーグが阪神に全面的に謝罪

 2つ目のプレーは、リプレー検証を実施しなかったために生じた誤審だった。

 6月29日のヤクルト-阪神戦(神宮)。七回1死二塁の守備で三ゴロを捕球した北條が、二塁走者の藤井にタッチをかいくぐられ、セーフの判定。阪神側は走者が走路から3フィート以上離れる「ラインアウト」を主張したが、三塁塁審は認めず、金本監督が求めた審判団による協議もなかった。

 セ・リーグ側は後日、「検証の結果、ラインアウトを取るべきだった。協議もするべきだった」と全面的に謝罪したが、なぜプレーの時点で協議が実施されなかったのか。実は、この試合では問題のプレーの前に、リクエストで判定が覆ったプレーが2つあった。阪神の球団幹部は「これ以上はミスできない、3回ルールとかあったんですかね」とぼやく。

 今季のリクエストは、本塁打性の打球や塁上でのアウト・セーフの判定など幅広く適用されているが、守備妨害など審判の判断が伴うプレーに関しては適用外。審判が面目を保とうとする意思が働いたのかもしれない。

 ビデオ判定によって正確な判定を下すのは、スポーツ界の潮流でもあり、サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会でも、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が導入されたのは記憶に新しい。

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