クマの「大量出没」にご用心 4年周期、4~6月の目撃最多 長野

4年に1度の「大量出没」が予想されるツキノワグマに注意が必要だ(長野県鳥獣対策・ジビエ振興室提供)
4年に1度の「大量出没」が予想されるツキノワグマに注意が必要だ(長野県鳥獣対策・ジビエ振興室提供)

 夏の行楽期も後半に入り、キャンプやハイキングなどで自然に親しむ機会が増える。ところが、長野県内各地でツキノワグマの出没や目撃情報が相次いでおり、県は、突然の遭遇で被害に遭わないよう、注意喚起している。今年は、4年周期でめぐってくるツキノワグマの「大量出没」に当たり、里山周辺や人里に多く現れることが予想され、「例年以上に警戒が必要」としている。(太田浩信)

 県内におけるツキノワグマの出没パターンをみると、平年の目撃件数は400~800件程度だが、平成18年には3362件、22年は1591件、26年には1575件と4年ごとに突出した目撃件数が報告されている。

 県鳥獣対策・ジビエ振興室は、4年に1度の大量出没について、ツキノワグマが好んで食べるコナラやミズナラなど堅果類(堅い殻を持つ木の実)の豊凶作をめぐる周期と合致していると指摘。「予想通り凶作だと、ツキノワグマが餌を求めて人里近くにさまよい出てくる恐れがある」と懸念する。

 特に今年は4月以降、平均気温が高く、ツキノワグマの活動が活発な状態にある。同室が集計した目撃件数によると、4~6月の3カ月間で計296件に達し、18年から始めた集計で最も多い状況にある。

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