経済インサイド

総務省vs自治体 見えない「ふるさと納税」バトルの着地点

 総務省が自治体名の公表に踏み切ったのは、6月に実施した意向調査で、8月までに返礼品を見直すとの回答が得られなかったからだ。名指しで批判された自治体の反論は次の通りだ。

 受入額が135億3300万円と、全国トップの大阪府泉佐野市。担当者は「みなさまがご利用くださり、寄付が集まった」と話す。実態は、鹿児島のうなぎや長野の桃、高級ビールなど地場産品以外の返礼品が人気だった結果だ。同市は「返礼品の見直しは、検討するが、時期は未定」としている。

 公表された自治体からは、「返礼品を提供する事業者との調整もある。寄付を想定して、予算も編成しており、すぐに変更は難しい」(福岡県宗像市)など総務省への不満もくすぶる。総務省は「高額な返礼品を見直す通知が出たのは昨年4月で時間は十分あった」との見方を示している。

 調理家電などを返礼品に加えている静岡県小山町はメーカーが町内に工場を構えているとして、「域内企業の活性化という観点から理解を得たい」と総務省を牽制(けんせい)。うなぎや宿泊券で返礼している佐賀県嬉野市は「昨年8月、野田総務相が『返礼品は自治体に一任する』と発言したことを受けて、自分たちで判断することにした」と主張する。

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