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リクエスト導入で判明、プロ野球誤審率「3割」 ゆらぐ審判の威厳

【Sコラム】リクエスト導入で判明、プロ野球誤審率「3割」 ゆらぐ審判の威厳
【Sコラム】リクエスト導入で判明、プロ野球誤審率「3割」 ゆらぐ審判の威厳
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 今季からプロ野球では、監督が判定に異議がある場合に映像によるリプレー検証を要求できる「リクエスト」が導入された。日本野球機構(NPB)によると、前半戦終了時点でリクエストは両リーグ合わせて256件実施され、そのうち全体の約35%に当たる89件でリクエストが成功したという。裏を返せば、それだけ誤審があったということ。この数字を高いと感じるかどうかは人それぞれだが、個人的には開幕前の予想に比べても、判定が覆った場面は多かった印象だ。(丸山和郎)

大騒動に発展した誤審

 今季、NPBが公に「誤審」と認めたプレーが2つある。まずは6月22日のオリックス-ソフトバンク戦(ほっともっと神戸)。延長十回にソフトバンクの中村晃が放った右翼ポール際への打球を巡るリプレー検証で、判定はファウルから本塁打に変更になり、オリックスが敗れた。ただ、試合後に審判団が映像を見直した結果、ファウルだったことを認めたため、大騒動に発展した。

 オリックス側は誤審の場面からの試合続行を求めたが、パ・リーグのアグリーメントには「リプレー検証によって出た全ての決定に対して異議を唱えることは許されない」と規定されているため、要求は通らなかった。「再発防止を徹底する」という謝罪の言葉はあったが、オリックスにしてみれば、憤懣(ふんまん)やるかたない思いだろう。

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