上州この人

女優・手島実優さん(20) 病に負けず「群馬と東京つなぎたい」

 「趣味でいいから遊びにきてよ」

 地元の劇団の人が誘ってくれた。暗闇のような日々を送る中、「稽古だけが楽しかった」。高校入学後は体の扱い方も要領を得て、リハビリで歩けるようになった。

 再びオーディションを受け始め、高校2年の時、伊勢崎市を舞台に自動車整備士を志す学生を描いたまち映画「グリモン」のオーディションで初のヒロイン役をつかんだ。

 「やれるところまでやってみよう」と気持ちを切り替えた。東京のオーディションも積極的に受けるようになり、出演作も増えていった。

 手術から5年たった今も、右半身の感覚は「厚い服を何重にも着ているみたい」と鈍く、症状は良くはなっていないが、女優として着実にキャリアを積んでいる。

 「特にこの人を目指しているとかはない。『ぜひ手島さんに』と言ってもらえる人間的魅力のある役者になりたい」

 群馬と東京という2つの拠点を持つことは、大きな強みになっている。

 「群馬にいると、人の温かさやつながりを大切にしようと思えてくる。東京で制作した映画を群馬で上映したり、ロケ地の案内や群馬の役者の手配をしたり、群馬と東京をつないでいきたい」

 飾らない笑顔で話した。

【プロフィル】手島実優

 てしま・みゆう 平成9年、前橋市出身。事務所に所属せずフリーで映画や舞台、CMに出演。ヒロインを演じた映画「赤色彗星倶楽部」(武井佑吏監督)は、高校の天文部をめぐる青春SF群像劇で、第11回田辺・弁慶映画祭のグランプリを受賞した。自ら作成したホームページ(http://sa1kou.wixsite.com/miyuu)も開設。

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