それが最近、社外からの指摘を受けてようやく実態を確認したというからお粗末である。法令順守の意識が決定的に欠如していると言わざるを得ない。
ヤマト側は「組織として過大請求を指示したことはない」というが、告発した元従業員は「利益を拡大するために意図的に過大な請求をしていた」としている。
ヤマトは今月末までに調査報告をまとめる予定である。経営幹部による関与の有無を含め、徹底的に不正を洗い直す必要がある。それがなければ、効果的な再発防止策など講じられるはずがない。
同社は高いサービス水準で知られてきた。昨年、料金を大幅に値上げすることができたのも、社会基盤として一定の宅配サービスを維持するためには、要員増や賃上げのための負担増もやむを得ないという、顧客側の理解があったからにほかならない。
ネット通販向けの急激な需要増などで売り上げを拡大してきた宅配最大手として慢心はなかったのか。厳しい反省が求められる。