スリランカ、日本で初代大統領を称える活動 サンフランシスコ講和会議で日本を擁護 中国と距離置きたい思惑

 記念館の設立が決まったのは「日本人がジャヤワルデネ氏の功績を忘れている現状を変えたい」というビパッシ氏の思いからだ。日本の小中学校の歴史の教科書にはジャヤワルデネ氏についての記載がない。昨年12月にジャヤワルデネ氏を紹介する著書を出版した野口芳宣(よしのり)氏によると、読者の感想の大半が「同氏を知らなかった」という内容だった。

 認知度の低さは、ジャヤワルデネ氏が総裁を務めた統一国民党(UNP)が1994年の総選挙で野党に転じ、2015年の選挙で勝利するまで政権が安定しなかったのが要因だ。ダンミカ・ディサーナーヤカ駐日スリランカ大使は「UNPが野党だった時期が長く、政府はジャヤワルデネ氏の功績を国外に発信しづらかった」と分析する。

 だが、スリランカは近年、ジャヤワルデネ氏の発信を積極化。8月5日には、ジャヤワルデネ氏の孫のプラディープ・ジャヤワルデネ氏が都内でサンフランシスコ講和会議での祖父の功績を振り返る講演会を開催する。駐日スリランカ大使館は「スリランカ政府の後押しもあり、実現できた初の取り組み」と話す。

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