シベリア抑留、モンゴル収容所へ移送中の死亡記録43人分を確認 厚生労働省 

 先の大戦後、日本兵らが旧ソ連などに移送され、強制労働させられた「シベリア抑留」で、モンゴルの収容所へ移送中に亡くなった日本人の記録がモンゴル国防省中央公文書館(ウランバートル)に残されていたことが3日、分かった。残されていたのは43人分。厚生労働省は39人は実在の日本人と確認し、残る4人の身元特定を急いでいる。

 厚労省によると、残されていた記録は死亡診断書など。氏名や死亡年月日、死亡場所などが日本語で記されていた。

 死亡年月日は昭和20年9~11月で、死亡場所は満州(現・中国東北部)が多かった。死因は栄養失調や肺結核などが目立ったという。

 厚労省は記録現存の情報を受け今年6月、現地に職員を派遣。記録の一部を確認した。加藤勝信厚労相は3日の会見で「早期に資料をいただけるようモンゴル政府に働きかけていく。必要な情報をご遺族に提供していきたい」と述べた。

 シベリア抑留では日本兵ら約57万5千人(厚労省推定)が収容所に移送され、重労働などで約5万5千人が死亡。このうち、モンゴルでは、約2千人が亡くなったとされている。

会員限定記事会員サービス詳細