武四郎はアイヌ民族の窮状に心を痛め、政府に待遇改善を求めたことでも知られる。高橋はるみ・北海道知事は「先駆的な問題提起だった。リベラルな人として見直したい」とその功績をたたえる。
武四郎役は松潤
松阪市では武四郎を再評価する動きの中で、竹上真人市長がかねてテレビドラマ化を熱望。「単発のドキュメンタリーではなく、説得力のあるドラマ化を」(竹上市長)とNHKに要望も行ってきた。そんな声にNHK札幌放送局が応え、今年6月末、「永遠のニシパ~北海道と名付けた男 松浦武四郎」の制作を発表した。
「ニシパ」はアイヌ語で、先生など男性の敬称という。脚本は大石静さん。武四郎役はあの松本潤さん、武四郎とかかわりの深いアイヌの女性「リセ」を女優の深田恭子さんが演じ、来年春に総合テレビで放送予定だ。
松本さんは「150年という節目のタイミングでこのような意義のある作品に参加させていただけることを光栄に思います。この作品を通して、アイヌの人々の文化、北海道の歴史を視聴者のみなさまに感じていただけたらうれしい」とコメント。
竹上市長は「これまでの要望活動が実った」といい、三重県の鈴木英敬知事も「あの嵐の松本潤さんと深田恭子さんが演じるドラマということで、大変楽しみ」と話す。
演劇、入門書、小説
ドラマだけではない。武四郎は今ちょっとしたブームになっている。劇団わらび座はミュージカル「松浦武四郎-カイ・大地との約束」を9月1日に松阪市のクラギ文化ホールで上演。その後、全国を巡回する。