近代建築って素晴らしい(3)

「闘将」に学び、建築の使命に気付く 松隈洋・京都工芸繊維大教授

【近代建築って素晴らしい(3)】「闘将」に学び、建築の使命に気付く 松隈洋・京都工芸繊維大教授
【近代建築って素晴らしい(3)】「闘将」に学び、建築の使命に気付く 松隈洋・京都工芸繊維大教授
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 --大分の高校卒業後、京都大に進学されました

 松隈 選んだのは、市内の中心部に路面電車が走っていたので。くだらない理由ですいません。でも、大学2年のとき、京都会館(京都市左京区、ロームシアター京都)の透視図を描く課題があったのですが、堂々とした建築で、この建物はすごいと思ったわけです。

 --「闘将」「モダニズム建築の旗手」と称される前川國男氏の設計ですね

 松隈 同じ年の12月、先輩たちが前川さんを講演で呼んだ。当時は建築界の中でも最長老の一人。仕事の自慢話でもするのかと思ったら、大学の建築教育を批判したんですよ。

 --どのような内容だったのでしょう

 松隈 「今の大学の建築教育というのは非常に偏っている。技術ばっかり教えている」と。「建築はどうあるべきか」や「建築家はどういう社会的な使命を負うか」という大事なことを、まったく教えていないと言うわけですね。

 --当時は学生運動も盛んだった時期です

 松隈 僕は親戚に言われるがまま、寮に入りましたが学生運動の巣窟で。成田空港をめぐる三里塚闘争も盛んで、現地の農家を支援していた学生が思い詰めているのも見ました。建築の世界で生きようとしているのに、建築が人々を分断し、人々を幸せにしていないと、思い悩んだこともありました。だから、この出会いは大きかった。

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