岡山・吉備中央町で新聞を使った特別授業 中学生ら取材通じ「わが街」の違う表情発見

新聞を使った特別授業の一環で取材の体験をする中学生たち=岡山県吉備中央町
新聞を使った特別授業の一環で取材の体験をする中学生たち=岡山県吉備中央町

 岡山県吉備中央町の公民館で開設されている町営塾「Kii+(キイト)」で、新聞を使った特別授業が行われた。この日は中学2年生の生徒たちが参加。大手予備校「河合塾」の未来研究プログラムの一環で、生徒たちが実際に商店街などに赴いて取材し、「未来の兆し」を見つけ、それをもとに町の将来を考えていく、という授業を行った。

 特別授業では、まず「記者になって取材してみよう」と題し、産経新聞大阪本社の田井東一宏編集企画室次長と河居貴司社会部次長が、取材の仕方などを説明。その後、地元商店街のパン屋や書店などに赴き、生徒たちが店主らに取材をしながら、「町のこれから」について聞き取った。

 同町では、高齢化や人口減少などの課題を抱えており、生徒たちの質問に店主らが商売の現状や街の今後などについて説明。店主らは「自然が豊かなところなど、町内にある良いところを伸ばしていきたい」などと話していた。

 町内には民間の学習塾がほとんどなく、町営塾は都市部との教育格差を是正しようと平成28年から発足。地域おこし協力隊のメンバーらが運営に関わっている。

 通常は英語、数学といった一般教科のカリキュラムを行っているが、今回は夏休みを利用し、特別授業を企画。町営塾のスタッフ、新宅康平さん(31)は「自分の住んでいる街を考えることが、自分の将来を考えることにつながると思っている。特別授業では、生徒たちの普段とは違う表情を見ることができて、実りあるプログラムになった」と話していた。

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