自民党総裁選

本来は安倍首相支持なのに… 吉田博美参院幹事長、義理と人情の狭間で苦悩

 吉田氏はさらに、先の通常国会で、参院定数を6増し、比例代表に「特定枠」を導入する改正公職選挙法の成立にこだわった。

 青木氏は、選挙区の合区の導入に強い危機感を抱いていた。長男の一彦参院議員の地盤である島根選挙区が、前回の参院選で鳥取と合区になったことが背景にある。吉田氏は青木氏に「安倍首相の協力なくしてあの選挙制度改革はできなかった」と伝えた。

 それでも、青木氏は翻意しなかった。石破氏は、青木氏が首相に不満を持つのを推し量るかのように、昨年から都内の同氏の事務所をたびたび訪問。党内で首相への対抗軸が欲しかった青木氏は石破氏との関係を深めていった。

 青木氏は通常国会閉幕後の7月25日、吉田氏に「参院側は石破氏を支持してほしい」と伝えた。吉田氏は「竹下会長ときちんと話をしなければならない」と即答を避けたが、青木氏の考えは変わらないと確信し、参院竹下派を石破氏支持で固める方針を決めた。

 首相は、参院自民党の運営全般を吉田氏に任せてきた。通常国会では改正公選法の成立を認め、国会会期の延長をめぐっては、学校法人「森友学園」「加計学園」などの問題から短期間を望んでいたが、吉田氏が求めた32日間の大幅延長を受け入れた。昨夏の内閣改造では吉田氏が推す参院議員2人を入閣させた。

会員限定記事会員サービス詳細