原発最前線

モニタリングポスト撤去方針で荒れる住民説明会 試される規制庁

 現実には規制庁の説明通り、同市の線量は低く安定しており、廃炉作業が行われているとはいえ、目立って上昇する可能性は低い。また、意見を述べた参加者のほとんどが原発そのものに反対とみられ、その意見が市民の多数派かどうかも定かではない。ただ、科学的な正しさが放射線を恐れる人の「心」に必ずしも説得力を持たないのは、第1原発のトリチウムを含む処理水問題と同じであり、東電に求めた「住民と向き合う姿勢」が、今回は逆に試されていることになる。

 現在の規制委員長の更田(ふけた)豊志氏は7月4日の定例会見で、モニタリングポストの撤去について「強行しようという気はもとよりない」と強調。「財源上の制約があるのは事実だが、今年、来年、じっくりとしたプロセスを積み重ねて、その上で適正な配置を見いだしていきたい」と述べた。

 説明会は今後、県内各地で開かれる。結論を出す時期はいずれやってくる。規制庁は、住民と向き合った上で決断するお手本を示せるだろうか。

福島のモニタリングポスト

 東電福島第1原発事故後、子供の安全確保の観点から、福島県全域の小中学校の校庭や公園といった公共施設などに、24時間体制で測定する放射線監視装置(モニタリングポスト)を約3千台設置。原子力規制委員会によると、1台当たりの平均価格は80万~100万円で、1年間の点検費は同約12万円。維持管理費などを含め、国の「東日本大震災復興特別会計」で年間約5億円の予算を計上している。

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