関西の力

だし(1)昆布の味、大阪から世界へ かつお節も源流は和歌山にあり

 とはいえ、いまだ北海道から大阪への昆布の流通路は継承されており、土居さんの店でも東京やフランスなど海外からの注文は増えているといい「昆布の味は関西から全国、世界へと広がっている」という。

 農水省の推計によると、海外の日本食レストランは2006年に約2万4千店だったのに対し、2013年には約5万5千店へと急増。海外での和食の注目度も一層高まっている。

1500年前に記述

 一方、関東流ともいわれるかつおだしだが、その源流は関西にあった。

 日本鰹節協会によると、古事記のなかに、約1500年前の雄略天皇の時代、「堅魚」という記述があるという。これは、かつおを干したものだと考えられており、かつお節の原形といえるかもしれない。

 いぶして作る今のかつお節の製法が始まったのは、かつおの大規模な漁が可能になった江戸初期で、紀州・印南(現在の和歌山県印南町)の角屋甚太郎という漁師が、漁の拠点としていた土佐(今の高知県)の宇佐浦で考案したとされている。

 かつお節の歴史に詳しい印南町文化協会の坂下緋美(ひみ)会長は、「かつお節の製法はその後さらに改良され、鹿児島や静岡などへ渡った後、瞬く間に各地に広まり、日本人にとってなくてはならないものになりました」と解説する。

(平成28年11月28日夕刊1面掲載 年齢や肩書き、呼称は当時)

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 伝統、文化、医学、農業、エンターテインメント、スポーツ…。関西には世界に誇れる魅力あるコンテンツがあふれている。現状の停滞を打破し、突破できる「力」とは何か。この連載では、さまざまなジャンル、切り口で「関西の力」を探る。

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