iPS、研究から治療へ 求められる高い安全性 パーキンソン病治験開始

 脳に注入する細胞の数は約500万個に上る。これは、大阪大が計画する心筋シートの約1億個よりは少ないが、理研が目の病気で移植した数万個を大きく上回る。

 iPS細胞は移植に使った細胞の一部ががん化する懸念があり、使う細胞が多いほどリスクも増す。目的の細胞に分化していない細胞を取り除く手間も増える。

 移植した細胞が脳内で腫瘍化して大きくなった場合、周囲の脳細胞に影響を与えて体のまひや意識障害、けいれんなどが起きる可能性がある。その場合は放射線治療や腫瘍の摘出手術が必要になり、患者に大きな負担を強いることになるため、より安全性の確保が重要になる。

 iPS細胞による臨床研究は、今後も多くの計画がある。慶応大は重い心臓病患者への心筋細胞移植と、脊髄損傷患者に神経のもととなる細胞を移植することを計画。横浜市立大も肝臓のもととなるミニ肝臓を作製し、肝不全患者に移植する計画を進めており、再生医療の実現を目指す研究はさらに加速しそうだ。

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