日曜経済講座

黒字転換の日本郵政 遺産に頼るかんぽに不安 経済本部編集委員 福島徳 

 第一生命の場合、データがある25年3月期~28年3月期でみた場合、経常収益に占める責任準備金の戻入額の割合は0.01~0.02%に過ぎない。いかに、かんぽ生命の戻入額の比率が高いかがわかるというものだ。京大院の藤井秀樹教授は「責任準備金は国営時代に積み立てた過去の遺産であり、現在のかんぽ生命はこれを取り崩すことで利益水準を維持している状態だ」とその損益構造の危うさを指摘する。

 もっとも、責任準備金自体は保険の契約や金額が多ければ、その額が膨らむのは当然だ。特にかんぽ生命の場合、国営時代から準備金がより膨らむ養老保険を商品構成の中心としたきたことも考慮すべきだろう。そして、これらの保険契約が満期を迎えれば、準備金を取り崩して戻入額として経常収益に組み込むことも正当な会計処理だ。

 とはいえ、責任準備金の戻入額の割合がここまで高くなるのは、国営時代の旧制度(簡易生命保険)の契約が相次いで満期を迎える中、新規の契約でそれらの目減り分を補いきれず、保険契約の減少傾向に歯止めをかけられていないことがある。