日曜経済講座

黒字転換の日本郵政 遺産に頼るかんぽに不安 経済本部編集委員 福島徳 

 だが、ことはそう単純ではない。というのも、かんぽ生命の経常収益全体のうち、実に30%以上が責任準備金の戻入額(2兆3979億円)が占めているのだ。この巨額の戻入額がなければ「実質、赤字決算」との指摘もあるほどで、事態は深刻だ。

 責任準備金とは、将来の保険金の支払いに備えて、保険業法で積み立てが義務づけられたものだ。民営化から10年を過ぎて、国営時代の簡易生命保険が相次いで満期を迎えているためだが、決して一時的現象ではない。過去5年をみても、この責任準備金の戻入額が常に経常収益の25~30%程度を占めているのだ。この数字は「異常」と言わざるを得ない。

 例えば、大手生保の中でかんぽ生命と同様に株式会社の形態をとり、上場企業でもある第一生命ホールディングスと比較すれば歴然である。