KDDI、5G基地局実験を拡充 景観配慮型 観光地の通信環境強化に対応 小型で街に溶け込むデザイン

KDDIが広島県福山市に設置した街灯型基地局(同社提供)
KDDIが広島県福山市に設置した街灯型基地局(同社提供)

 KDDI(au)が景観に配慮した街灯型の第5世代(5G)移動通信方式基地局の実験を年内にも複数の観光地などに拡充する方針であることが28日、分かった。訪日客増加に沸く観光地では、平成32年の5G実用化を見据えた通信環境の強化が課題。しかし5G基地局はカバーできる通信領域が狭いために大量設置が必要で、景観に悪影響を及ぼす懸念がある。このためKDDIなど携帯大手3社は街に溶け込むデザインの基地局開発を進める。

 KDDIは昨年10月から広島県福山市の観光スポットの鞆の浦で実証実験を開始。天候や地形の影響、保守整備上の課題などを検証している。実験に用いられている街灯型基地局「ゼロサイト」はアンテナや無線機、配電盤などを柱の内部に収納した景観に配慮したデザインだ。

 KDDIに対しては5G時代の通信環境強化に備えたい他の観光地などからも引き合いがあり、KDDIはリゾートホテルなど数カ所での実証実験着手を目指す。このほか、5Gの整備が先行することになる都市部での実用化を見据え、都内での実験も検討する。

 5Gは高周波数帯域の電波を利用することで通信速度を高めることができるが、建物などで電波が遮られやすい欠点がある。また5Gの活用が期待される自動運転では、安全上、電波を途切れさせることはできず、道路沿いに数百メートル間隔で基地局を設置することが必要。このため各社は大規模基地局ではなく小型の基地局を多数展開し、5Gエリアを確保する方向だ。