東京五輪

スポーツ産業の海外展開で官民スクラム 15兆円市場へ 

スポーツの海外展開支援で連携する基本合意書を締結したスポーツ庁の鈴木大地長官(左から3人目)ら=25日、東京都江東区
スポーツの海外展開支援で連携する基本合意書を締結したスポーツ庁の鈴木大地長官(左から3人目)ら=25日、東京都江東区

 経済産業省とスポーツ庁などは25日、日本のスポーツやスポーツ産業の海外展開を支援するための基本合意書を締結した。政府の成長戦略の一環で、スポーツ産業の活性化につなげる。2020年東京五輪・パラリンピックを好機として日本の技術やサービスを海外に売り込み、平成37年には市場規模を現在の約2・7倍の15兆円とすることを目指す。

 この日、東京都内で行われた署名式には、スポーツ庁の鈴木大地長官や日本スポーツ振興センター(JSC)の大東和美理事長らが出席。鈴木氏は「2020年以降を見越したスポーツ産業の活性化を図りたい」と述べた。

 今後は、スポーツ関連製品を手掛ける企業が主にアジア地域に進出する活動を支援する。国際博覧会(万博)や国際会議などの場でも、日本のスポーツの魅力や関連する技術、サービスを発信。経産省とスポーツ庁、JSC、日本貿易振興機構(ジェトロ)の4者が協力し、日本のプロスポーツを海外に広げるための情報発信の在り方を考える。

 既に、日本の技術で海外に挑戦する中小企業も増えている。スポーツ用品製造販売の三英は天板が反らない高品質の卓球台を開発し、2016年のリオデジャネイロ五輪で採用された。疲労回復ウエア製造販売のベネクスは緊張をほぐす機能があるウエアを開発し、ドイツの水泳協会などが正式採用した。

 スポーツ用品大手ミズノは、運動が苦手な子供でも遊び感覚で体を動かすことができる運動カリキュラム導入をベトナム政府に提案している。

 署名式に出席したジェトロの石毛博行理事長は「官民一体で先に需要を開拓する仕組みも必要で、第一歩が踏み出せない中小企業を後押ししたい」と話した。

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