浪速風

児童虐待を防ぐ「生まれてくれてありがとう」

昨日の「夕焼けエッセー」に胸を打たれた。50歳の誕生日を迎えた「自慢の息子」への「手紙」。障害がある不自由な体で勉強して仕事に就き、結婚して子供にも恵まれた。楽しい旅行の思い出や、パソコンやスマホを教えてくれた感謝をつづり、「お母さんの子供に生まれてくれてありがとう」。

▶そうなのだ。小欄も昔、幼いわが子の寝顔を見ながら、同じ言葉をつぶやいた。今年3月に両親の虐待によって死亡した東京都目黒区の船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)は「もうおねがい ゆるして ゆるしてください」と悲痛なメモを遺した。この事件をきっかけに、政府は児童虐待防止の緊急対策をまとめた。

▶平成34年度までに児童福祉司を約2千人増員し、児童相談所(児相)の態勢を強化する。大阪府は児相に寄せられた虐待に関連する情報を府警に全件提供する。が、肝心なのは、親が「生まれてくれてありがとう」と思い、子育てに喜びを感じて、苦楽を共にすることだ。

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