仏マクロン大統領に「就任以来最大」の逆風 側近の地位悪用黙認で追及

 【パリ=三井美奈】マクロン仏大統領の警備責任者がデモ参加者への暴行容疑で身柄拘束された事件で23日、国会の調査委員会が開かれた。アレクサンドル・ベナル容疑者は大統領側近の地位を悪用して警察装備を使っていたことが発覚し、「身内の横暴」を黙認していたマクロン政権に批判が集中。大統領は就任以来、最大の逆風に直面した。

 調査委員会は、約2時間にわたってコロン内相への質疑を行った。ベナラ容疑者が5月1日にデモ参加者を殴ったうえ、警察用ヘルメットや腕章を違法着用していたことについて、コロン氏や大統領府高官が把握しながら、訴追手続きを怠ったことが分かった。

 コロン氏は、暴行現場を映したビデオの内容を5月2日に把握していたと明かし、「大統領府官房長に伝えた。しかるべき処分をすると思った」と述べた。ベナラ容疑者は15日間の軽い停職処分後に復職。警察から監視カメラ映像を入手し、武器携帯を認めさせていた疑惑も浮上した。

 マクロン氏は昨年の大統領選で、癒着(ゆちゃく)と縁故主義がまん延した保革2大政党制からの脱皮を訴えて当選した。しかし、大統領就任後、選挙戦のブレーンを重用する「側近政治」が指摘されていた。今回の事件は大きなイメージダウンとなりそうだ。

 ベナラ容疑者は選挙戦でマクロン氏の身辺警護にあたった私的ボディーガード。選挙後、そのまま大統領府入りした。大統領府警備隊や警察に所属していないが、革命記念日などの国家行事の警備を担っていた。今回の事件を受けて、大統領府は免職の方針を発表している。

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