西日本豪雨

政府27日にも激甚災害指定 被害額の算定に時間、東北北部の梅雨明けも見極め必要

 政府が西日本豪雨を激甚災害に指定する閣議決定を27日にも行う方向で調整していることが19日、分かった。指定には被害額の算定などに時間がかかり、災害発生から1~2カ月後になることが多い。今回も安倍晋三首相が11日に「迅速に指定するよう作業を進める」と表明したものの、青森県や岩手県など東北北部が梅雨明け前という状況を見極める必要もあって時間を要している。

 激甚災害は地震や台風などが対象で、インフラなどの復旧のための費用が一定基準を超えると指定される。ただ、被害の全容把握や復旧事業費の算定などに時間がかかる。適用される措置もそれぞれ基準が異なり、梅雨など気象状況として一連のものとみなされる場合はまとめて指定していた。

 結果的に1~2カ月程度かかり、財政負担を気にする被災自治体の復旧・復興の取り組みに遅れが出ていた。そこで政府は昨年、運用を見直し、被害の全容などが確定していなくても指定が確実とみられる場合は「指定見込み」として公表し、お墨付きを与えることで迅速に復旧・復興に着手できるようにした。

 政府は今回、15日に初めて激甚災害の指定見込みを公表した。菅義偉官房長官は「梅雨前線による災害期間や内容が確定後、速やかに閣議決定の手続きを進めたい」としており、正式指定を急ぐ。

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