国の文化審議会は19日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に平成32(2020)年の登録を目指す候補として、日本最大級の縄文集落跡「三内丸山=さんないまるやま=遺跡」(青森市)を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道と青森、岩手、秋田の3県)を選んだ。
ユネスコは世界遺産の推薦枠を32年の登録審査から1国1件に制限。環境省は「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島県、沖縄県)の32年の世界自然遺産登録を目指しており、政府がどちらを推薦するか調整する。
縄文遺跡群は、三内丸山遺跡や大規模なストーンサークルを主体とする「大湯=おおゆ=環状列石」(秋田県鹿角市)など、国の特別史跡・史跡計17件で構成。本格的な農耕と牧畜ではなく、狩猟・採集・漁労を生業の基盤として定住し、1万年以上にわたり続いた縄文文化の変遷を示している。
文化遺産の国内候補として、21年にユネスコの暫定リストに掲載された。今回はほかに、「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」(新潟県)が文化遺産候補の選考対象となっていた。
一方、「奄美・沖縄」は今夏の登録を目指していたが、ユネスコ諮問機関から登録延期勧告を受けて今年6月に推薦をいったん取り下げた。環境省が推薦内容の見直しを進めている。
政府が2月、文化遺産候補としてユネスコに推薦した「百舌鳥・古市=もず・ふるいち=古墳群」(大阪府)は、来夏に登録の可否が審査される予定。