「口のまわりに白い毛がだいぶ出てきましたが、散歩をしていると『かっこいい犬ですね』って声をかけてもらいます」。耳がピンと立った14歳の愛犬「ロン」の頭をなでながらそう話すのは、大津市の越直美市長(42)。
平成24(2012)年、36歳6カ月で歴代最年少、女性市長としても最年少の当選を果たし、就任後もいじめ問題への対応や保育園・認定こども園の増設など、果敢に市政に向き合う姿で注目を集める。
ロンは6年前、大津市の動物愛護センターからもらい受けた元保護犬。
「保護犬をもらうための事前登録をしていたので、センターから『譲渡可能な犬がいる』という連絡が来て、両親とセンターに行きました。そしたら、広いケージに1匹だけ、ロンちゃんがいたんです」
小学生のころからいつも家には犬がいた。越家の犬はずっと雑種。近所からもらったり、お墓で拾ったり…。ただ、ロンは出会ったときに、すでに8歳。「長く一緒にいられないかも」との思いもよぎったが、近寄ると「なでて!」と、おなかをだしてきた。そのとき、「このコをもらおうって、決めてました」。
来た当初は、リードが少しあたったぐらいでもおびえる様子を見せたが、慣れるに従って、散歩の途中でシカや鳥を追いかけ、夏は自分で庭に浅い穴を掘って寝るなど、野性味あふれる性格が全開した。
好物は、粉モン。パスタやうどんを見ると目の色が変わる。「お好み焼きをするときは、ロンちゃんのも1枚焼きます。あまりやっちゃダメなんですよね」
最近、耳が遠くなり、帰宅時のお出迎えはなくなったが、家の中では越さんの膝に顔を埋めてくる甘えん坊。「ロンちゃんは癒やしです」