第89期ヒューリック杯棋聖戦

豊島将之新棋聖誕生で、八大タイトル8人分け合う戦国時代に 1人1タイトルは31年ぶり

第89期ヒューリック杯棋聖戦第5局で羽生善治棋聖(左)を破った豊島将之新棋聖。念願の初戴冠となった=17日午後、東京都千代田区の都市センターホテル(飯田英男撮影)
第89期ヒューリック杯棋聖戦第5局で羽生善治棋聖(左)を破った豊島将之新棋聖。念願の初戴冠となった=17日午後、東京都千代田区の都市センターホテル(飯田英男撮影)

 「第89期ヒューリック杯棋聖(きせい)戦五番勝負」で、二冠を保持していた羽生善治(はぶ・よしはる)前棋聖(47)=竜王=から、挑戦者の豊島将之(とよしま・まさゆき)新棋聖(28)が棋聖位を獲得したことで、将棋界は八大タイトルを8人が分け合う戦国時代に突入した。1人1タイトルずつ分け合うのは、七大タイトル制だった昭和62年以来、31年ぶり。羽生前棋聖らが長く複数タイトルを保持してきたが、近年は若手が台頭、世代交代が進む。

 ▲「群雄割拠」過去に1度△

 昭和58年に王座戦が昇格して七大タイトル制になり、昨年、叡王(えいおう)戦が加わって八大タイトル制となった。昭和62年10月、王座戦で塚田泰明九段(53)が、二冠だった中原誠十六世名人(70)からタイトルを奪い、7つのタイトルを7人で分け合う状態に。しかし同年11月、棋王を保持していた高橋道雄九段(58)が、竜王戦の前身「十段戦」で福崎文吾九段(58)からタイトルを奪い二冠となった。

 以降、複数のタイトルを保持する棋士が常にいた。羽生前棋聖は平成3年以降、常にタイトルを保持し続け、8年には七冠独占を達成。現タイトル数は単独トップの99期だ。

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