苦しまずに往生できる通称転利(ころり)観音として信仰されている滋賀県長浜市高月町唐川の赤後(しゃくご)寺(じ)で10日、千日会が営まれ秘仏の開帳が行われた。参詣すると千日分の功徳があるとされる千日会。観音堂には第1回「長浜観音蓮まつり」と銘打ち、赤や白のハス約100本が供えられた。
仏像は聖観音、千手観音の2体。ともに高さ約1・8メートル、平安時代初期の作で国の重要文化財。寺に住職はいないが、唐川区の住民が毎朝、お供えをして管理している。今年はハス栽培をするNPO法人「つどい」(長浜市常喜町)が市地域おこし協力隊員(観音担当)の対馬佳菜子さん(25)の呼びかけで参加し、供物とともにハスの花を供えた。
寺の世話方の雨森秀夫さん(68)は「無事に開くことができた。区民は観音様を守り、観音様に守られて生きている」と話していた。