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経済的暮らし
2人を引き合わせたのは、異世代ホームシェアの普及を推進するNPO法人「リブ&リブ」(東京都練馬区)。「少子高齢化が進む中、シニアの孤立を防ぎ、世代と血縁を超えた新たな絆をつなぐ」(リブ&リブ代表理事、石橋●(ふさ)子さん)ことを目的とし、地方から上京した学生と高齢者をつなぎ同居中も双方の相談に乗り見守る。
家賃は無料、学生がシニアに払うのは光熱費や生活雑費として月2万円と経済的だ。平成24年の設立以降、都内を中心に13組の同居が成立した。「学生にはおかげで東京で勉強ができると喜ばれ、シニアの方は目に見えて若く元気になっていく」と石橋さん。
異世代ホームシェアは、福井大学、京都府なども取り組んでおり、徐々に全国に広がっている。京都府の取り組みは、学生側が支払う住居費は2万5千~3万5千円程度で、これまで9組の学生とシニアの同居が成立。学生がお風呂の天井掃除を買って出るなど、シニアの暮らしを助けようとする姿も見られる。冒頭の宮本さんは、これまで5人の学生を送り出してきた。「どの子もシニアを大切にしようと思ってくれている」と話す。
27年の国勢調査によると、65歳以上の約6人に1人が1人暮らしで、今後ますます増える見込みだ。異世代ホームシェアは、高齢者が孤立せず明るく毎日を暮らすための、新たな道を示しているとも言えそうだ。
●=金へんに英