羽生善治(はぶ・よしはる)棋聖(きせい)(47)=竜王=に豊島将之(まさゆき)八段(28)が挑戦している産経新聞社主催の将棋タイトル戦「第89期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」の第4局が豊島八段の2勝1敗を受け、10日午前9時から新潟市の岩室温泉「高島屋」で始まった。持ち時間は各4時間の1日指し切り制で、立会人は屋敷伸之九段と村山慈明(やすあき)七段。
先手の羽生棋聖は5手目▲7六歩と角道を開け、豊島八段も10手目△7七角成とし、村山七段は「流行の戦型で、激しい変化を含んでいる」と解説する。
30手目△9四歩までは穏やかな定跡通りの進行。羽生棋聖は37手目▲5六銀、豊島八段も△5四銀と攻守のバランスに優れた角換わり腰掛け銀となった。その後、豊島八段は手待ちを繰り返し、攻めの間合いを計った。
豊島八段は52手目△7五歩と突き、「後手の攻める意思の表れ」と村山七段。53手目▲6九飛は反撃を兼ねた受けの手。豊島八段は62手目△6七歩と3分で打ち、「用意の手。相手陣に嫌みをつける軽妙手」と村山七段。
防戦気味だった羽生棋聖は▲2二歩と反撃開始。だが豊島八段は受けず△4五銀直から△6五銀と最強手で応戦した。「リスクをとって攻め合い勝ちを目指した一手。斬り合い必至の進行です」と村山七段は話した。
この段階で正午に昼食休憩に入り、羽生棋聖は温かい稲庭うどんと天ぷら、おにぎりのセットを注文。羽生棋聖は以前、東京ではうどんを食べる機会が少なく、地方に出かけた際は、うどんを食べることが多いと話していた。
豊島八段は、地元のブランド牛「あがの姫牛」を使ったハンバーグランチ。午後から激しくなると予想される戦いに備え、エネルギーをしっかり補給する。
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