大阪北部地震

「活断層が動いたとはいえない」地震調査委が見解

ブルーシートで覆われた屋根が多くみられる地域=6月25日、大阪府茨木市(本社ヘリから、鳥越瑞絵撮影) 
ブルーシートで覆われた屋根が多くみられる地域=6月25日、大阪府茨木市(本社ヘリから、鳥越瑞絵撮影) 

 政府の地震調査委員会は10日、最大震度6弱を観測した大阪北部地震について「上町断層帯をはじめとした周辺の活断層の一部が動いたとはいえない」との見解を公表した。活断層とは無関係で、周辺の活断層で地震が起きやすい状態になったともいえないとした。

 地震の発生メカニズムや余震の分布などから、地震を起こした震源断層を分析。南北2つの断層で構成されると推定し、北側に延びた逆断層と、南側に延びた横ずれ断層がほぼ同時に動いたと結論づけた。

 一方、千葉県の房総半島沖を中心に6月から続くプレート(岩板)境界のゆっくりとした滑り「スロースリップ」については、約1カ月間で最大23センチ滑ったと分析。6月下旬以降は滑りが鈍化しており、最大震度5弱を観測した7月7日の千葉県東方沖の地震との直接の関連はないとした。

 会見した平田直委員長は「過去には(活動が)終息したように見えてから一番大きな地震が起きた例もある。まだ有感地震が発生する可能性はあり、注意を続けてほしい」と述べた。

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