淡路関空ライン、洲本-関空を13日で運航休止 小型船での継続模索も断念 

記者会見する淡路関空ラインの吉村静穂会長=5日、淡路市内
記者会見する淡路関空ラインの吉村静穂会長=5日、淡路市内

 洲本港と関西国際空港を結ぶ定期航路を運航している「淡路関空ライン」(洲本市)は5日、淡路市内で記者会見し、今月13日を最後に運航を休止すると正式発表した。一時は小型船に切り替えての継続も模索したが、赤字が予想されることなどから困難と判断した。同社では来年3月から半年間、同航路で試験運航して可能性を見極めたいとしている。

 同社は小型船での航路継続を断念した理由として、現在の5往復を3往復に減便したとしても月間700万円の赤字が予想されることや、船の安定性が低くなることで強風などの際の欠航が増えること、小型船就航に必要な桟橋のバリアフリー化工事に約3千万円の費用がかかることを指摘。民間事業者単独での航路運営は困難とした。

 初期費用として今年5月に交付されたばかりの、洲本市からの1500万円、島内3市でつくる淡路広域行政事務組合からの4500万円の計6千万円の補助金については「請求された場合、返還する」としている。

 一方で、全国的に外国人旅行客が増加傾向にあり、同航路も潜在的な需要はあるとし、今後、県や島内3市と話し合い航路の共同運営や公設民営方式などでの運航再開を検討していく方針。

 同社の吉村静穂会長は「仕掛けるのが少し早かったが、航路再開の流れは間違っていなかった。ただ、民間企業として赤字を垂れ流すわけにはいかない。民間が運営するには限度もあり、県や3市と協力して航路を継続できる方法を考えたい」と話した。

 洲本-関空間の航路は平成19年に運航休止となったが、岩屋(淡路市)-明石(明石市)間の定期航路を運航している「淡路ジェノバライン」(淡路市)が新会社を設立し、昨年7月、10年ぶりに運航を再開した。

 同航路では高速船で1日5往復運航し、年間9万6千人の利用を見込んでいたが、同社によると、今年6月までの利用者は約1万7千人にとどまり、赤字額は当初想定していた6千万円を大きく上回る約1億5千万円にのぼるという。

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