前橋空襲3部作ミュージカルの最終章「鎮魂華」出演者を募集

 前橋市と、まえばし市民ミュージカル実行委員会は、昭和20年の前橋空襲を題材に、来年8月3、4日に昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館、同市南町)で上演する市民ミュージカル「鎮魂華(ちんごんか)」の出演者のオーディションを今年8月5日に行う。戦後70年の平成27年から上演が続く「前橋空襲3部作」の最終章。脚本と演出を手掛ける音楽家の新(しん)陽一さん(64)は「若い人たちに前橋空襲を伝えていきたい。純粋にミュージカルをやってみたい人も大歓迎」と話している。(斎藤有美)

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 ◆歴史に翻弄される姿を

 「鎮魂華」の物語の舞台は昭和15~20年の前橋市と米国カリフォルニア州。日本人の兄妹、米国人、日系米国人2世の若者が時代と戦争に翻弄され、苦悩する姿が描かれる。

 新さんは群馬大学混声合唱団、同大OB合唱団、東京農大OB合唱団など5つの合唱団の指揮者。

 前橋女子高に音楽教諭、音楽部顧問として在任中の平成20~22年に前橋空襲3部作「灰になった街」「我愛●(ウォーアイニー)」「鎮魂華」を作った。

 在任中に音楽部の部員数はピーク時に168人に上り、「前女生の6人に1人は音楽部員」と言われるほどになったが、赴任した7年当時はわずか4~5人。

 「ミュージカルをやれば部員が増える」「どうせなら郷土にまつわるミュージカルにしたい」と考えた結果、題材として浮かんだのが前橋空襲だった。

 前橋空襲は終戦10日前の昭和20年8月5日午後10時半ごろに始まり、現在の市中心部、千代田町など市の約2割が被災。死者は535人に上った。その数の多さに着目し、「ミュージカル化して生徒に知ってもらいたい」と、「灰になった街」の制作に取りかかった。

 構想には5年を要した。前身の前橋高等女学校の生徒らが風船爆弾を作ったという史実などに基づくストーリーを描くため、卒業生の女性数人に「どういう風に風船を作ったか」などと自ら取材した。完成した作品は平成20年7月に県民会館で3日間上演され、5千人以上を動員した。

 その5年後、山本龍市長から「市民ミュージカルとして上演してくれないか」と依頼を受けた。オーディションで選んだ小学生から75歳まで総勢81人で終戦70年の27年8月に上演され、2日間の公演チケットは完売。約2400人を動員するなど大好評を博し、他の2作品も上演することとなった。

 ◆60~80人が舞台に

 「鎮魂華」の出演者は小学4年生以上の男女、60~80人を募集する。居住地は問わないが、毎週水曜の夜と毎月第2日曜の午後に前橋市内で行う練習のほとんどに参加できることが条件。練習費は月額2千円(高校生以下1千円)で、衣装は自己負担となる。

 オーディションは8月5日の午前10時または午後1時から行う。劇中歌やセリフを当日練習し、審査する。希望者はダンスなどの自由パフォーマンスもアピールできる。

 応募締め切りは今月18日(必着)。申し込みと問い合わせは市文化国際課(電)027・898・6522。

●=にんべんに尓