サッカー日本代表

原口元気、劣勢跳ね返す先制点 決勝Tでは日本選手初

 前半20分過ぎから日本は一方的に押し込まれた。失点は時間の問題か-。ロストフナドヌーに駆けつけた日本サポーターもそう思い、迎えた後半。原口元気(ハノーバー)が極上の歓喜をもたらした。

 後半3分、自陣深くでボールを奪い柴崎岳(ヘタフェ)にボールが入ると、原口はすかさずベルギー最終ラインの裏に走り込んだ。

 図ったかのようなパスにベルギーDFは触りきれない。「最後の点を取るのは個の部分。勝負にいきたい部分は当然ある」。原口は柔らかいタッチで前を向くと、中に切り込むようなフェイントを入れ、右足を振り抜いた。

 サイドネットが揺れると、ベンチに駆け寄ってチームメートにもみくちゃにされながら、顔をくしゃくしゃにして喜びに浸った。

 西野朗監督就任後、左FWから右MFにポジションを移した。利き足は右。中にドリブルすればシュートが撃ちにくい。「難しい。シンプルに単調にプレーしていることが多いかなと思う」と苦しんできたが、最高の場面で結果を出した。

 決勝トーナメントでは日本選手初得点だ。「本当のW杯はここから。なんのためにロシアに来たか、次の試合を勝つために来た」。その思いがこもったファインゴールだった。(五十嵐一)

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