武田薬品の株主総会 7兆円買収反対の株主提案は否決

武田薬品株主総会に向かう株主ら=午前9時26分、大阪市浪速区(鳥越瑞絵撮影)
武田薬品株主総会に向かう株主ら=午前9時26分、大阪市浪速区(鳥越瑞絵撮影)

 欧州医薬品大手シャイアーを買収する武田薬品工業は28日、定時株主総会を大阪市内で開いた。買収額は約7兆円と、日本企業の海外買収として過去最高額となることから、「リスクが大き過ぎる」と反対する一部株主が提出した、巨額買収については総会の事前決議を義務付けるよう定款の変更を求めた議案は否決された。

 武田薬品はシャイアーの買収によって、世界の製薬業界で日本企業として初めてトップ10入りし、シャイアーの強みである希少疾患領域の創薬の充実や、米国市場での事業拡大を目指している。総会に出席したクリストフ・ウェバー社長は「買収によって革新性の高い医薬品の開発をしていく」と強調した。

 ただ、約7兆円の買収額を新株の発行と、新規の借り入れなどで賄う方針で、市場では財務悪化を懸念する動きも根強い。既存の株式価値が低下する「希薄化」に対する懸念も株主らから上がっており、定款変更の議案を提出した株主らは「買収反対」の考えを訴えた。この議案は否決されたが、総会での株主からの質問では、「買収のために借金して返せるのか」「シャイアーは本当に利益を出せるのか」となどといった声が相次いだ。

 総会に出席した和歌山県橋本市の男性株主(67)は「配当を維持できるのか株主としては心配。買収が今後の財務体質にどう影響するのか、社長の言葉で確かめたい」と話していた。

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